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「S.H.Figuarts ソー -《FINAL BATTLE》 EDITION-(アベンジャーズ/エンドゲーム)」
シネトイ魂!洋画のススメ vol.3
「S.H.Figuarts ソー -《FINAL BATTLE》 EDITION-(アベンジャーズ/エンドゲーム)」
2020.07.31
シネトイ魂!編集部の映画ライターが、シネトイファンがもっと洋画を楽しむためのコラムをお届け。
第3回はソーを愛してやまない奈良夏子さんが、独自の視点から「S.H.Figuarts ソー -《FINAL BATTLE》 EDITION-(アベンジャーズ/エンドゲーム)」を熱く紹介します。本コラムのための撮りおろし画像も多数掲載!
ソー・オーディンソン。生まれも育ちもアスガルド。全知全能の神オーディンの長兄にして新王。地球ことミッドガルドと祖国アスガルドを愛し、宇宙の脅威に立ち向かった(自称)最強のアベンジャー、ソー! 彼がアベンジャーズはじめ、全宇宙のヒーローたちとともにサノスとの最終決戦に臨んだ『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19年)の、最新最強武装バージョンのフィギュアが《FINAL BATTLE》 EDITIONとしてS.H.Figuartsに登場です。
ソーが《FINAL BATTLE》 EDITIONに堂々参戦!
オーストラリア生まれの快男児ことクリス・ヘムズワースの、世界一ハンサムなお顔を見事に再現し、肖像権をクリアしたヘッドは、通常バージョンに加え、迫力のイナズマ眼ヘッドが付属。
いまにも稲妻がはじけそうな気迫が感じられる、新たな頭部パーツが付属。
さらに、ソーのトレードマークでもある愛用ハンマー・ムジョルニアと、新たなバトルアックス(斧)・ストームブレイカーの両方が付いており、二刀流も再現できる豪華仕様。二刀流といえば、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17年)でムジョルニアを破壊されたソーが、惑星サカールの闘技場で闘った際に、2つの剣を手にした姿が思い出されますが、クリス・ヘムズワースは映画『スノーホワイト』(12年)のシリーズで演じたハンター役でも斧を2つ持っていましたし、大きな武器を両手に構える、わんぱくなバトルスタイルがよく似合いますよね。
映画を観たソーのファンが首を長くして待ちわびた「ムジョルニアとストームブレイカーの両手持ち」をS.H.Figuartsでついに実現!
ソーといえば筋骨隆々、たくましくも引きしまった、健康的で魅惑的な筋肉ボディでもおなじみですが……このフィギュア、腹はなんとも重苦しそうにドテッと飛び出しています。それに、先ほどは顔がハンサムすぎるので気付かないところでしたが、髪もヒゲも伸びすぎです。以前のソーとは変わり果てた、この体型はどうしたことでしょう。最後くらい、シュッとしたソーの姿でよかったのでは? いや、このボッテリしたボディにこそ意味がある。まずはそれについて説明しなくてはなりません。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19年)の冒頭、ソーを含むアベンジャーズの生き残りは、隠居生活していたサノスを見つけ出し、再び追い詰める。追い詰めると言っても、やりたいこと全部やり切ったサノスはすでに戦意喪失していたが、ソーはサノスを前にするやいなや首を斬り落とす。同行した仲間たちも、映画を観ていた観客もこの衝撃的な展開に絶句した。失うものがなくなったソーは、それまで学んだ多くのことを捨て、ただサノスの首を取るという復讐の目的のみで動いていた。このときのソーはまるで、短気で粗暴で傲慢だった、王以前の彼の姿そのものだった。
これで彼の気が晴れたかと言うと、決してそうではなかった。ワカンダの戦で首を狙っていれば、いや初対面のときに自分に力があれば、ハンマーがあったなら、父上や母上がいれば、ロキがいたら……巻き戻すようにいろいろなことを考えたに違いない。しかし奪われたものを取り戻す手段はもうない。いや、唯一の手段であるサノスを殺したことで、自分がそのチャンスを奪ってしまったのでは。
布製のマントのフチにはワイヤーを内蔵。ソーの喜怒哀楽を代弁するかのような表情豊かなポージングが可能。
考えたってもうどうしようもないじゃないか。飲まなきゃやってらんない。酒飲んですべて忘れよう。飲んで寝て、おなかが空いたら起きて、食って飲んでまた寝よう……そうして何もかも忘れて、たった一人で死ぬまで生きよう。
そうした暴飲暴食引きこもりの末、でき上がったあのボディ。つまり、この大きな大きなドテッ腹には、脂肪に形を変えた、悲しみと後悔が詰まっているのです。
しかし、ここからがソーの凄いところ。再びガーディアンズ・オブ・ギャラクシーそして盟友アベンジャーズと戦うことを決意。大きな大きな悲しみと後悔を、勇気とパワーに変え、失われた祖国の民たちや仲間、父上や母上の期待、そしてロキの想いなど、お腹いっぱいに詰め込んで、サノスとの最終決戦に挑んだのでした。
だからこのボディこそ、最終決戦でありながら、新たなスタートを切った、新生ソーの真の姿であると言ってよいのです。
同日に受注開始した「S.H.Figuarts サノス -《FINAL BATTLE》 EDITION-(アベンジャーズ/エンドゲーム)」があれば強大な敵サノスに立ち向かう雷神ソーの雄姿を味わえる。
無造作にもじゃもじゃ生え放題になっていた髪と髭も、BATTLEモードではしっかり結わいているところがなんともチャーミング。
ムジョルニアとストームブレイカーそれぞれには青いイナズマのエフェクトも付いています。このエフェクトはボディ用も一式付いていて、まさに生まれ変わった雷神ソーのパワフルな姿を再現できるでしょう。
ちなみに2022年には映画単独シリーズ4作目『Thor: Love and Thunder(原題)』が控えているソー。ですが、今回の最終決戦を終えた段階で、ソーはアスガルドの王位を盟友ヴァルキリーに預けています。きっとこの後は活動の場が広がり、運動量が増え、また少しずつ痩せ、かつての引き締まった姿を取り戻していくことでしょう。おそらくこのスタイルのソーは、最新にして、最初で最後になるかもしれない。そういう意味でも、このFINAL BATTLE EDITIONのソーは、MCUの歴史においても、非常に貴重なものになるはずです。
Text: 奈良夏子(『映画秘宝』編集部)
Photo: 静メカ
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