TAMASHII NATIONS PRESENTS シネトイ魂!

杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.1
「S.H.Figuartsキャプテン・マーベル(アベンジャーズ/エンドゲーム)」

2020.05.28

“アメキャラ系ライター”杉山すぴ豊氏が、独自の視点からシネトイ(洋画フィギュア)を語ります。

第1回はマーベルの人気キャラクターであるキャプテン・マーベルの最新フィギュア「S.H.Figuartsキャプテン・マーベル(アベンジャーズ/エンドゲーム)」「S.H.Figuarts キャプテン・マーベル」をテーマにお届け!

気に入ったヒーロー映画やモンスター・ムービーのキャラを手元においておきたいという人は多いハズ。BANDAI SPIRITSのコレクターズアイテムブランド「TAMASHII NATIONS」さんの洋画フィギュアはまさにこうした願いをかなえてくれます。その魅力を映画ライターの視点で語っていきたいと思います。
今回は昨年世界をわかせた大ヒット作『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19年)からキャプテン・マーベルです。

まずこのキャラについて軽く説明しましょう。
2008年の『アイアンマン』から始まるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品は様々なヒーローが登場しますが、恐らく現時点で最強、“キャプテン・マーベル無双”と言っても過言ではないでしょう。
映画では以下のように描かれています。

1980年代に米軍の女性パイロットだったキャロル・ダンバースはエイリアン同士の抗争に巻き込まれ、結果、宇宙のパワーを全身に浴びて驚異のパワーを持つ超人になります。その能力はすさまじくほぼ不死身で怪力。飛行能力はもちろん宇宙空間を飛ぶこともでき、両こぶしからエネルギー波(プラズマ・ブラスト)を発射。彼女一人で巨大な宇宙戦艦を撃破できてしまうのです。『アベンジャーズ:エンドゲーム』でサノスと互角に殴り合っていましたから。
パワーを浴びた時は一時記憶を失い自分は宇宙人だと思っていたのですが、90年代に自分の記憶を取り戻します。そしてあるエイリアン種族を守るため宇宙へと旅立つのです。後にアベンジャーズ創設と関わる国際平和維持組織シールドのニック・フューリーは若き日に彼女と出会っており、ニック・フューリーだけがこのヒーローの存在を知っているという設定です。(このへんが映画「キャプテン・マーベル」で描かれています)宇宙の彼方にいるキャプテン・マーベルとニック・フューリーは“超高性能ポケベル”で連絡がとれる関係なのですが、ニック・フューリーにとって彼女は最大の切り札。めったなことでは呼び出さない。けれど『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18年)でMCU史上最大の事件が起こったわけですから、ついにニック・フューリーが呼び出す。そして『アベンジャーズ/エンドゲーム』で大活躍というわけです。
映画『キャプテン・マーベル』(19年)と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の最初の方の出番では髪が長かったのですが、後半はこのショートカット・バージョンとなります。

今回、S.H.Figuartsを見て、ツボだなと思ったのは左手をつきあげて飛ぶシーンが再現されていることです。こういう風に空を飛べるってヒーローってMCUにはあまりいません。アイアンマンやファルコンはメカの力を借りているし、マイティ・ソーは実はムジョルニアをふりましてその推進力でひっぱれている。ワンダもヴィジョンも飛べますが宙に浮いている、という感じです。それに対し彼女は自力でさっそうと飛ぶことが出来る。だからキャプテン・マーベルならではの、このポーズがちゃんと再現できる、というのがこのフィギュアの素敵なところですね。

杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.1<br />「S.H.Figuartsキャプテン・マーベル(アベンジャーズ/エンドゲーム)」

それと正面と後ろ姿の造形もこのキャラの特長をよくつかんでいます。いわゆる男性目線でいうと、女性ヒーローに期待する要素の中にセクシーさやかわいさというものがあります。ブラック・ウィドウとかワンダ、ワスプは妖艶。ブラックパンサーの妹シュリはキュートです。しかしこのキャプテン・マーベルは非常にりりしい。萌え的なかわいさより燃えるかっこよさがあるんです。ヒーローとしてのオーラ、真の強さはキャプテン・アメリカに匹敵すると思うんですが、このフィギュアの正面の写真はまさにそれを感じさせますよね。

  • 杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.1<br />「S.H.Figuartsキャプテン・マーベル(アベンジャーズ/エンドゲーム)」
  • 杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.1<br />「S.H.Figuartsキャプテン・マーベル(アベンジャーズ/エンドゲーム)」

ところで僕がキャプテン・マーベルのことをヒロインと言わずにヒーローと表記しています。アメコミではこういう女性キャラのことをスーパーヒロインといわずスーパーヒーローウーマンといったり女性ヒーローというのです。恐らくヒロインというと恋愛ドラマぽかったり、ヒーロー(男性)あっての相手役みたいなニュアンスが出るからでしょうか?というわけで女性か男性かなんて関係ない。とにかく堂々たるヒーロー・フィギュアです。と言いながらも、映画を観た方ならおわかりですが、このキャプテン・マーベルは劇中、女性ならではの愛らしさをちゃんとみせてくれるんです。『アベンジャーズ/エンドゲーム』で絶望寸前のトニー・スタークを助ける時の母のようなあたたかさ、スパイダーマンことピーターをサポートするシーンのお姉さん感、最高でした(笑)。キャプテン・マーベルは女性としても魅力です。このフィギュアの後ろ姿はこのキャラの持つ女性らしい美しさをちゃんと再現しています。とくにこのバージョンのキャプテン・マーベルは髪が短いのでうまく作らないと男性ヒーローに間違えられてしまうと思いますが、このフィギュアはその両方をうまく成立させていると思います。

杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.1<br />「S.H.Figuartsキャプテン・マーベル(アベンジャーズ/エンドゲーム)」

彼女らしいパワーの象徴である両こぶしからのプラズマ・ブラストや全身を覆うエネルギー・オーラも再現できるのも嬉しいですね。最高の力を発揮するときエネルギーが彼女の体をつつむのもまた魅力的ですから。

なおショートカットではない、映画『キャプテン・マーベル』時の彼女も好き、という方もいると思います。こちらもS.H.Figuarts化されていますね。こちらは劇中の“モヒカン・モード”(顔がマスクをつけた状態になり、結果髪の毛がモヒカンのようになる)を別パーツで再現することを出来ます。
“モヒカン・モード”の時は、某巨大変身特撮ヒーローを彷彿させるような宇宙ヒーロー感が出てきますが、この口元だけで女性だということがちゃんとわかる造形になっていますね。どっちのバージョンで飾ろうか迷います(笑)

  • 杉山すぴ豊の洋画フィギュア論 vol.1<br />「S.H.Figuartsキャプテン・マーベル(アベンジャーズ/エンドゲーム)」
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キャプテン・マーベルはこの先のMCUをけん引していく存在といわれています。だからこれからMCUヒーローのフィギュアを集めていくなら、彼女をセンターに置いてみてください、はまると思います。数年前、このキャプテン・マーベルを演じたブリー・ラーソンさんが別の映画のプロモーションで来日した時にインタビューする機会がありました。「キャプテン・マーベル」を演じると発表された直後だったと思います。その時、コミック版のキャプテン・マーベルのフィギュアを見せて「楽しみです!」と言ったらにっこり笑ってくれました。今度、ブリー・ラーソンさんに会う機会があったらぜひこのフィギュアを見せて「最高でした!」と言いたいです。

Text: 杉山すぴ豊

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